快適な睡眠を手に入れるためには、「体内時計」の働きを正しく理解することが欠かせません。
ここでは、体内時計の定義、そして体内時計の働きを鈍らせないための注意点について確認していきます。
睡眠のカギを握るのは「メラトニン」
「体内時計」とは、一般に「人間に眠る時間を知らせる体内システム」と定義されています。
この点で、体内時計と密接な関係を持っているのは、「メラトニン」というホルモンです。
人間の脳には「松果体」という部位があり、そこからメラトニンが分泌されると、体は睡眠へ移行しようとします。
ですから、メラトニンの分泌がきちんと行われるかどうかが、質の良い睡眠を確保できるかのカギと言えるわけです。
起床して日光を浴びると、脳はメラトニンの生成をストップするように信号を出します。
その後、メラトニンの分泌が止まってから、およそ13時間から16時間が経過すると、体内では再びメラトニンの生成が始まる、というサイクルになっているのです。
メラトニンの分泌量は徐々に多くなっていき、それにつれて眠気を催すようになります。
ですから、「メラトニンの分泌が安定すると、睡眠の質も安定する」ということができるでしょう。
規則正しい生活をすることで体内時計は安定しやすくなる
体内時計を安定させるもう1つのカギは、「規則正しい生活」です。
食事をいつも決まった時間に摂取することや、ベッドに入る時間帯をいつも合わせることなどがポイントとなるでしょう。
そうすることで脳は、「この行動パターンに入ったら睡眠が近いからメラトニンをもっと分泌させよう」と判断するようになり、結果として睡眠の質が良いものとなるのです。
次の日が休みであるとしても、決まった時間に寝起きするのは大切です。
夜更かしをしたり、朝いつまでも寝ていたりすると、体内時計にずれが生じてしまうため、翌日以降に寝つきが悪くなってしまうことが多い、ということを覚えておきましょう。
体内時計が狂うことに伴う弊害とは
体内時計が正常に働いていないと、気分が落ち込んだり、些細なことでイライラしてしまったりすることがあります。
「きちんと睡眠を取っているはずなのに、疲れがなかなかとれない」ということもあるでしょう。
そうなると、仕事や学業あるいは周囲の人間関係に、悪い影響を及ぼす可能性があります。
ですから、生活リズムを整えることをいつも意識して、体内時計が正常に働くようにしましょう。