「睡眠が少ないと体に良くない」ということは、よく知られています。
睡眠時間が減少すると、具体的にはどんな健康被害が起こり得るのでしょうか?
ここでは、主に3つのポイントを取り上げてみましょう。
生活習慣病のリスクが大幅に高まる
人体は眠っている間に、傷ついた筋肉や細胞の修復を行なっています。
特に、夜10時から午前2時の間は成長ホルモンが活発に分泌され、健康な体を保つために必要な作業が行われているわけです。
ですから、睡眠時間が少なくなるということは、それだけ体を回復させる時間が短くなり、生活習慣病にかかるリスクが大幅に高まるということを意味しています。
例えば、内臓や血管の細胞が弱くなってしまうと、そこから癌細胞が発生したり、心筋梗塞を始めとするさまざまな心疾患が発症しやすくなったりするでしょう。
また、体内のホルモン分泌が不安定になるという弊害もあります。
ホルモンの一種であるインスリンの分泌が不安定になると、必然的に糖尿病が発症するリスクも大幅に高まるでしょう。
気持ちが不安定になり記憶力も低下する
睡眠時間が不足すると、脳内におけるホルモン分泌にも悪影響を及ぼします。
その結果、気分が晴れなかったり、いつもイライラして攻撃的になったりするというケースが少なくありません。
これが慢性化してくると、うつ病などの気分障害を発症するリスクが高まります。
実際、うつ病と診断された人のおよそ9割は、診断前からほとんど眠れない日々を過ごしているという研究結果があるほどです。
加えて、睡眠不足によって脳の正常な働きが阻害されてしまい、記憶力が大幅に低下してしまうということも起こり得ます。
そうなると、仕事や勉強の効率が低下したり、事故を起こしやすくなったりと、深刻な結果につながる可能性があるということを覚えておきましょう。
肥満の原因となり得る
睡眠時間が少なくなると、体内に摂取された糖質や脂質をグリコーゲンへと変換する時間が短くなります。
結果として、血中には糖質や脂質が過剰に存在する状態となり、それは脂肪へと変換されて体内へ蓄積されます。
つまり、睡眠時間が短くなると肥満になるリスクが大幅に高まる、ということを覚えておきましょう。
また、慢性的な睡眠不足のために満腹中枢の機能が低下してしまい、ドカ食いをするようになったというケースも散見されています。
ですから、健康を維持したいのであれば、睡眠時間を毎日6時間から8時間程度きちんと確保するようにしましょう。