睡眠時間が短いと、脳を含む体内の器官にダメージが蓄積して行きます。
これは「睡眠負債」と呼ばれ、長期間続くと健康を害するリスクが高まります。
ここでは、睡眠負債を上手に解消する方法について学びましょう。
「週末の寝だめ」は睡眠負債解消にならない
「仕事が無い週末に、長時間眠ることで睡眠不足を解消する」という人は少なくありません。
とはいえ、この「寝だめ作戦」はあまり効果が無いことが分かってきています。
むしろ、週末に長い時間眠ると、体が生活リズムの変化に対応できずホルモンバランスが崩れてしまうことすらあるのです。
ホルモンのバランスが良くない状態で月曜日を迎えると、仕事でミスをしやすくなったり、集中力が鈍くなって事故を起こすリスクが高まったりします。
また、お昼近くまで眠るということは、朝ごはんを摂取しないということになります。
そうなると、体内は栄養不足の飢餓状態になって、脳や心臓といった重要な器官に大きな負担がかかってしまうのです。
こうした理由から、睡眠負債の解消方法として、「寝だめ」はおすすめできません。
平日に決まったリズムで眠ろう
睡眠負債の解消方法として、最もシンプルかつ効果的なのは「早寝をすること」です。
起床時間は決まっている訳ですから、ベッドに入る時間を可能な限り早くすることで、睡眠時間を増やすことができます。
1日あたり1時間早く就寝するだけでも、体内の免疫機構は大幅に改善することが分かっています。
もし、就寝時間を早めることが難しいのであれば、お昼の休憩時間を活用して仮眠を取るのが望ましいでしょう。
15分ないし20分程度の短い睡眠でも、脳の機能をリフレッシュすることができますので、集中力を回復させる上で大変効果があります。
このようにして、わずかな時間を活用することが、睡眠負債を減らすカギなのです。
素早く眠ることができる環境作りも大切
睡眠負債を解消したいのであれば、「睡眠導入をスムーズにすること」も意識しましょう。
ベッドに入ってからもだらだらとスマートフォンやタブレットを見ている、というのは避けるのが賢明です。
むしろ、間接照明に切り替えたり、リラックスできる音楽を聴いたり、アロマを活用したりして、心地よい眠りが得られる環境作りをするのが良いでしょう。
加えて、夕食は就寝の3時間前には終えるようにすることや、ヨーグルトや野菜スープなど胃腸に優しい食事を心がける、というのも効果的でしょう。
こうして眠りに入るパターンを作ることが、結果として睡眠負債の解消につながるのです。