睡眠は私たちの日常生活における重要なファクターであり、これを軽視すると健康に甚大な被害が及ぶことがあります。
では、睡眠不足によって、どのような健康上のリスクが高まるのでしょうか？
ご一緒に確認していきましょう。
生活習慣病の予防に効果がある
睡眠をきちんと確保することで、体内の各器官では、傷ついた細胞を修復して健康な状態に戻す作業をきちんと行なうことができます。
また、体内の新陳代謝を活発にすることで、肥満や高脂血症を予防する効果も期待できます。
一方、睡眠が不足すると、内臓における細胞の修復作業が十分に行なえなくなるため、機能低下や炎症が起きやすくなるといった悪い影響が及びます。
また、血中の脂肪細胞や活性酸素が著しく増加することで、肌や毛髪がダメージを受けたり、ガン細胞ができやすくなったりします。
ですから、生活習慣病になるリスクを低くしたいのであれば、睡眠との関係にも十分に配慮する必要があるでしょう。
ストレスが蓄積して心の病気になる可能性が高まる
睡眠を取ることには、ホルモンバランスを整えて感情を安定させるという働きもあります。
また、脳内の情報を整理して、ストレスの原因となり得る不必要なデータを削除する効果もあります。
一方、睡眠が不足してくると、「コルチゾール」というストレス物質が脳内で多量に分泌されます。
その結果、ホルモンの働きが乱れて、感情のコントロールが難しくなることがあるのです。
また、不安感やイライラを感じることが増えるため、不眠症状が起こりやすい、という影響もあります。
これが慢性化してくると、うつ病などの気分障害を患うリスクも高くなります。
ですから、心の健康を守るためにも、睡眠時間はきちんと確保するようにしましょう。
睡眠時間が慢性的に短い人は脳が縮小するリスクあり
多くの臨床データによって、睡眠時間が慢性的に短い人は脳の働きが低下して、脳そのものが縮小する傾向にある、ということが分かってきています。
脳が徐々に小さくなって機能が低下していくと、やがて加齢とともに認知症やアルツハイマーになる可能性が高くなる、という点も指摘されています。
こうした睡眠不足の影響は、徐々に積み重なっていくものです。
ですから、「今は何の症状も出ていないから自分には関係ない」と考えるのではなく、むしろ常日頃から、「睡眠の良い習慣を維持するために今何ができるだろうか」という見方を持っておくことがとても大切です。